髪の毛の健康を保つためのヘアケア大辞典
髪の毛と頭皮は切っても切れない関係にあります。というのも、髪の毛は頭皮の一部だからです。皮膚には表皮と真皮があり、その下に皮下脂肪が存在します。外側の表皮には保護膜の役割があり、表皮の奥で細胞が分裂を繰り返し、最外層に角質を形成しています。内側の真皮の大部分は膠原繊維(コラーゲン)からなり、そこには血管や神経が細かく張り巡らされています。髪を作る構造全体を「毛包」といい、髪が育っていく上でとっても大切な部分です。
毛包は、この真皮層の中にあり、毛根を包むような構造になっています。皮膚に隠れた部分を「毛根」、外に出た部分を「毛幹(もうかん)」と言います。私たちが普段「髪」と呼んでいるのは、この毛幹部のことなのです。毛根の下部の少し膨らんだ部分を「毛球」と呼びますが、こが髪の製造工場というわけです。
毛球の下端にある「毛乳頭」には毛細血管や神経が集まっています。毛細血管からは、毛髪を成長させる栄養分や酸素などが運ばれてきます。その栄養分を受けて分裂する細胞が「毛母細胞」で、毛母細胞は毛乳頭と接している部分を取り巻くように存在しています。
毛乳頭は、毛母細胞に増殖の命令を発する、言わば司令塔のような役目を果たしています。ここで分裂した細胞が、メデュラ、コルテックス、キューティクルなどに分化し、角化しながら、上へ上へと押し上げられて毛髪ができるというわけです。よく「髪が伸びる」という表現をしますが、実はすでに出来あがっている髪の毛を上に押し出しているといったほうが正しいですね。健康な人で1日平均0.35mm、1ヶ月で大体1cm伸びる計算です。「毛乳頭」から栄養補給を受けた「毛母細胞」が分裂増殖活動を繰り返して髪の毛を作っているのですから、どんなに髪が長くなっても、髪の根が栄養を取り入れていることには変わりはありません。
つまり髪の健康を保つためには、頭皮の状態が良好であることが大切なのです。
真皮にある毛包部は活発に細胞分裂を繰り返していますが、毛幹部ではまったく行われていません。
つまり皮膚の外に出ている毛髪は、死んだ細胞の束でしかないのです。毛髪の成長にかかわっているのは、毛球部だけということになります。そのため発毛や育毛を促す場合、この部分が備えている機能に働きかけていく必要があります。
ということは、ひと口に毛髪のケアといっても、皮下の生きた髪と、外に出た死んだ髪の両方を分けて考えることが大切なのです。